優しいにもほどがある!先日急遽、アースカレッジでは、50匹のてんとう虫の幼虫をお迎えする話が浮上しました。
それは、伊藤先生の大切な鳥さんたちの、いつもの夜の放鳥の時間。ベランダで栽培している鳥さんたちの大好物であるハコベさんを、この時期に大量発生するアブラムシから守るために毎年戦ってこられた先生が、「てんとう虫ってアブラムシをバクバク食べてくれるのよ。てんとう虫って売ってないのかな?」と、仰った事からでした。
中山 「連れてきても飛んで行ってしまいますからね・・・」
先生 「そうだよね・・・。飛ばないてんとう虫っていないのかな?」
という話になり、私はすぐにスマホで、「飛ばないてんとう虫」というワードで検索してみたのです。
すると・・、なんと!
飛ばないてんとう虫なるものが、害虫駆除生物として存在し、しかもネットで購入できる事が分かったのです。
てんとう大作戦は、こうして始まりました。
毎年、アブラムシの甚大な被害によってハコベさんを失い続けてきた先生は、真剣にてんとう虫をお迎えする事を考え始めました。そして、50匹というのが最小単位で、それ以下の数では購入できない事に、悩まれたのです。
なぜかと言うと、先生宅のベランダでは、50匹ものてんとう虫に対して、あまりにもアブラムシの数が少なかったからです。
せっかく来てくれた救世主を、飢え死にさせるわけにはいかない・・・。
そんな事は、あってはならない。
真剣に考えた末、先生が思いつかれたのは、なんと、「アブラムシの数を増やそう!!」でした。
「今しているアブラムシ対策をやめて、アブラムシにもっと増えてもらおう! そうすれば、てんとう虫は餓死しないですむ!!」
先生は、本気でした。
僕は思わず、「先生。アブラムシを駆除するためにお迎えするてんとう虫さんに、ひもじい思いをさせないために、アブラムシを積極的に増やすのですか?」と言いました。
それを聞いた先生はハッとされ、「これぞ、本末てんとう

ってやつだな」と。
そこからは先生も僕も、もう笑いがとまらず、「これが本当の本末てんとう~~っ!!」と、腹を抱えて笑い転げてしまいました。
そして一週間ほど前、宅急便で、てんとう虫の幼虫50匹が、先生宅に届きました。
その名も、「テントップ」!

こんな容器(小さい缶コーヒーくらいのサイズ)に、50匹ものてんとう幼虫さんが・・・ドキドキ。

先生 「あれ!? このちっちゃい虫、これは幼虫の餌用のアブラムシ? では、幼虫は何処に??? ・・・・・・ 違うっ! このアブラムシみたいなのが、幼虫なんだ!」
というわけで、想像していたものとはまるで違う、アブラムシ程度の小さな幼虫さんがやってきたのです。
そして、その後一週間を経て・・、
現在はこの姿。お迎え当時より、何倍も大きく成長しています。
今この時も、大切なハコベさんを守るべく働いてくれているはず・・・。 でも、あれれ? 50匹の幼虫を放ったはずだけど、そんなに見かけないぞ。どこかに歩いて行ってしまったのだろうか? それとも・・・???
効果のほどはまだ分かりませんが、今年の夏のアブラムシ対策に期待が高まっています。
どうか、本末てんとう

となりませぬように・・・(笑)。
中山 寛士