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娘の登校しぶり・・by 泉

「学校に行きたくない」と言われた時に

こんにちは、泉です。新型コロナウイルスの第二波が騒がれる最中ですが、九州地域等の豪雨被害もありました。ウイルスも異常気象も、私達人間の在り方によって自然界に負担がかかり、バランスを崩した結果だと思います。改めて、ひとりひとりの在り方を見つめ直す必要性を感じています。

前回の記事では、先生がコース生の彩さんにされた子育てのお話しをご紹介しましたが、今回も子育ての話題です。
私は去年の6月に、娘の「登校しぶり」でとても悩みました。その時に伊藤先生にご相談をして教えて頂いたことから現実が大きく動き、10月からはスムーズに登校出来るようになりました。そして4年生になった今では、元気いっぱいに学校に通うことが出来ています。  

   登校

最近の登校場面です。今では遅刻ギリギリに慌てて出かける事が多いです。

私の娘は3年生の春に現在の小学校に転校しました。最初は新しい環境に慣れようと頑張っていて、一見順調でした。でも、6月のある日突然、「学校に行きたくない」と言い出したのです。

その日娘は、夕食を食べる表情が明らかに暗く、ぽつりと「学校に行きたくない」とつぶやきました。私は心配になって根掘り葉掘り理由を聞いたのですが、特に何かのトラブルが起きている様子はありません。話しているうちに、娘の目からは大粒の涙がこぼれ落ち、「分からない、分からない。とにかく学校が嫌だ!」と、わんわん泣き出してしまったのです。
そして娘は、「ママ、心細いから明日から一緒について来て」と言いました。こうして私は翌朝から、娘と一緒に登校することにしたのです。自宅から5分ほどの所に集合場所があり、近所の子達が集まって一列になって登校していますが、私も、しくしく泣く娘と手を繋いで班の列に交じり、歩いて学校まで行く事が日課になりました。
その生活は1か月を超え、2か月となり、徐々に娘は泣かなくなってきて、お友達と喋ったりしながら登校が出来るようになっていきました。でも、私の手をぎゅっと握って離さず、「学校まで一緒に来て欲しい」という訴えは変わりませんでした。

この頃の私は、朝の登校が徐々にしんどくなってきていました。娘はもう泣かないし、下校も普通に帰ってくる。そろそろ大丈夫じゃない? と思うようになっていました。
毎朝、「今日は大丈夫でしょ? 一人で行ってね」と伝えてみたり、一緒に歩きながら「もうこの辺りでママ帰っても良いかな? 仕事に遅れちゃうよ」などと言ってみても、娘は決まって「ダメ!」と言って私の手を放してくれませんでした。
そんな娘の様子に私は、娘を甘やかしてしまっているのでは? 今は親として、毅然と背中を押すべきタイミングなんじゃないか? 一体どうやって娘の背中を押して励ましたら良いのだろう? と悩むようになったのです。

その頃に参加させて頂いたライブセミナーで私は、伊藤先生に娘の状況を説明し、「どうやったら娘の背中を押す事が出来るのでしょうか?」と質問させて頂きました。すると先生は、開口一番、こうお話しされました。

「あなたのその、『今日は一人で行ってね』っていうのは良くないね。そうやって突き放せば突き放すほど長引かせるよ。私だったら、『今日は一人で行ける?』って聞く。『今日は一人で行けそう?』って。このエネルギーの違い、分かる?」

とにかく娘の背中を押すべき、と思っていた私でしたが、先生が仰る言葉と自分の言っていたことのエネルギーが全く違うことに気付いて、食い入るように先生のお話しを聞いていました。
そのあとに先生は、ご自身が過去に職場を変えた際には、決まってストレスによって体調不良になった事をお話し下さり、3か月頃はちょうどストレスが来る時期というイメージがあると仰いました。また先生は、娘の場合、特にトラブルがあるわけではないなら、見守っておけば大丈夫ではないかと思いますよ、とも仰って下さいました。

それを聞きながら私は、精神科の外来でも、環境が変わって2~3か月頃に体調を崩して受診し、適応障害などになっている患者さんが多いことを思い出しました。精神科医という職業柄、そのような状態を良く知っているにも関わらず、娘の様子に動揺したり自分が大変になって来てしまい、娘の状況を客観的に見て、娘の気持ちを想像してあげることが出来なくなっていたのだと気付きました。娘に対する申し訳なさと同時に、ほっと、体の芯が緩むような感覚がしてきました。

続けて先生は、その時の娘に起きていることを、こんなふうに丁寧に紐解いて、説明して下さったのでした。

「本人も、何が辛いのかきっとわかっていないと思うよ。大人でさえも、社会人になって新しい職場、新しい環境になった時に、漠然とうつっぽいとか、眠れないとか、倦怠感みたいな感じしか分からない。カウンセラーによって自分の気持ちをひとつずつ導き出してもらってみて初めて分かる。大人でもそうなのだから、子供であればもっとモヤーッとするはず。
『自分の中で何が起こっているのか』は、理屈。思考で一生懸命紐解いていって、文章にして、ああなるほど、私の中でこんなことが起きているのかってするのは『分析』じゃない?
そういう事は、感情のままに生きている子供には出来ないのよ。でも、子供なりの本能的な順応性はある。人って基本的に誰もが人の中で生きたいものだから。人間っていうのはそういう生き物、一人で生きていくことなどできない生き物なんです。貴方の娘のように感情で生きている正常な子だとしたら、もうあと何か月かすれば自然と新しい環境に馴染んでいくでしょう。
ただ、聞いていて問題だと思うのは、貴方が子供のメンタルが不安定な時期に、そうやって突き放すような言い方をすることで、子供は『自分には味方がいない、誰も分かってくれない』という気持ちになるよね。そういう時は、娘の気が済むところまでとことん付き合ってあげることです」


とお話し頂いたのです。私は、背中を押すつもりが娘を突き放して、そんな気持ちにさせてしまっていたんだ、かえって長引かせるような真逆なことをしていたんだと唖然として、心底納得しました。そして、すぐに腹を括る気持ちになりました。娘自身が「もう大丈夫」となるまで、とことん付き合おうと思ったのです。
先生のお話しをお聞きするまでは、どうやって娘の背中を押そうかと悩んでいたのに、お話しを伺った後には、まったく逆の決心をすることになったのでした。

続けて先生は、親として子供と向き合う時のとても大切なスタンスについてお話しをして下さいました。そこではまた、私自身が全く出来ていないことを痛感する事になったのですが、そのことについては、また次の記事でご紹介したいと思います。

佐藤 泉
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