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命の教育 (後編)・・by 恵子

相手の立場に立って

こんにちは。認定ティーチャーの高橋恵子です。
前回の記事「命の教育(前編)」では、小さい命である虫達へ向ける視点や、命に大小はないのだという伊藤先生のお話をお聞きして、私がとても心が動かされたことをお話しました。

ちょうどその頃に、小学校3年生の息子が庭で遊んでいた時に、虫眼鏡で枯れ葉を焼くことに夢中になり「アリンコ焼いてみたい!」と言いました。母親である私は、小さい命を大切にするという事をあれこれと説明してみたものの、充分に伝えることが出来ませんでした。
「虫をおもちゃのようにしてしまう小さな子ども達や、好奇心からアリンコを焼いてみたい、と言った息子に、どう対応したらよいでしょうか?」と聞く私に対して、先生はこう話されました。

「私なら、普通に止めますね。『自分がされたらどう?』と言います。
『自分の体が燃えるとどうなると思う?』『熱いフライパンの上に手を置いてみる?』『それをアリにするの?』と聞いていくと思うし、乱暴に触っているような時には、『こーんなおっきいマンションみたいな人に捕まって、こうやってギュッとされたらどうかな?』『どんな気持ち?』と聞いていきます。
『この子達は、人間ではないけど、やっぱり生きたいと思っているんだよ』『痛いって感じるし、怖いって感じるんだよ』と。こういうことが子どもの想像力を豊かにするし、一つひとつが、相手の立場に立つということを覚えるきっかけになっていく。私が母から徹底的に言われ続けた事は『自分がされて嫌なことは、人にしてはいけない』ということ。これは基本なんです。相手が虫だろうと動物だろうと一緒です。それを頭ごなしではないところで教えるんです。やって良いことか悪いことかではなく、大事なのは、『それがつまりはどういうことか?』なんです」


それをお聞きして私は、目の前にモヤがかかっているかのような視界が、スッと晴れていくようでした。そして、無意識のうちに頭の中にあった、良いことか?悪いことか?という善悪の判断の枠組みが、ガラガラと崩れていくように感じたのです。

それからは、子ども達が虫を捕まえたり、乱暴にしているような時には、「こんなふうにされたら、どうかな?」と一緒に虫の立場に立ってみたり、「痛いよー」「怖いよー」と虫の気持ちになって代弁するように話したりしています。
すると、小さな子ども達は、すんなりと虫達の気持ちに寄り添い、「痛いの?」「寒いの?」と、時には話しかけたりしながら、優しく接するようになるのを何度も見ています。

息子は、実は虫があまり得意ではないのですが、先生から教えて頂いたような関わりをしているうちに、道路にいるカタツムリを、車に牽かれないようにと助けてあげたり、以前より自然と優しくなっている様子を見かけます。
子ども達と一緒になって、虫の立場に立ってみたり、目線を合わせてみると、私が生活している周りには、懸命に生きる小さな命でいつも溢れていることに気付きます。

  虫  虫②

それぞれが命を生きることの、美と輝きに満ちています。

そして、このようなやり取りを通して、子ども達にどう伝えるのか以前に、私自身が小さな命に対して、普段ほとんど目を向けずにいたのだということに気付かされました。

どう教えるか、どう接するか、ということだけが教育ではなく、大人の在り方や矛盾をそのまま見て真似ているのだなと、子ども達を見ていて思います。

伊藤先生は、「命あるものが一生懸命生きているんだ」ということを感じられる情緒を、いかにして色んな場面で教えるかということが、大事だということも教えてくださいました。
私自身も子ども達と一緒に、そんな情緒を育んでいきたいと思っています。

高橋 恵子
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