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ケロケロ医師の成長・・by 谷川

「病を診る」から「人を診る」へ

こんにちは。アースカレッジのケロケロこと、谷川です。
私は、「カエルの国の王子様」の記事に書かれているように、重い話題を受け止められずに軽い返答をしたり、どっしりと落ち着いていられず早口でまくしたてたりと、その場にそぐわない言動をしてしまい、人と噛み合うコミュニケーションができないという問題を抱えています。そんな私ですが、このケロケロ問題に取り組むうちに、日々の診察のなかで少しずつ変化が表れてきました。

以前の私は、教科書で学んだ医学的知識をもとに、患者さんに対して血圧の数値や、検査結果がどうだったかという話を一方的にするばかりでした。患者さんから辛い気持ちを打ち明けられても、「辛いのは分かりますが、頑張って行きましょうね」と声をかけるのが精一杯で、それらを受け止めることも、患者さんの心に寄り添うことも出来ませんでした。

しかし、医学的知識をひけらかしてしまうのも、患者さんのネガティブな感情を受け止められないのも、自分が褒められたいという欲求が強く、さらにネガティブなものを感じたくないが故に人の気持ちをスルーしてしまうチャイルド人格の「考」の意識がそうさせているのだと、先生に指摘していただくなかで分かってきたのです。
そこで、「考」ではなく、アダルト人格が中心となり診察が出来るように意識して変えて行く、という取り組みを日々続けました。そうすると、知識を振りかざすことは減り、これまでよりもずっと患者さんの気持ちを受け止められるようになりました。患者さんと同じ目線で問題を共有出来るようになってきて、自然と患者さんとの繋がりも深くなってきました。

先日はこんなことがありました。息子さんを亡くされ、それ以来ずっと気分が落ち込んでいるという患者さんが来られたのです。以前の私ならば、患者さんの悲しみを受け止めることができるだろうかと不安になり、その場を誤魔化すようなことを言ったと思います。
しかしその時は、1時間近くの診察の間、患者さんの思いに同調して、ただただ話を聞いている私がいました。その方は、悲しんでばかりいられないと、無理に明るくしようとしていたのですが、私は先生から教えていただいているように、悲しみはしっかり受け止め、それを表現することが今は必要なことだと伝え、薬は出さずに診察を終えました。
次の週、来院された患者さんはどこか晴々とした顔で、「前回の診察で気持ちを受け止めてもらい、悲しみを否定せずしっかりと感じ、それを家族と共有したことで、とても気持ちが楽になった」と仰っていました。
こうして、患者さんの気持ちを真正面から受け止められるようになったことは、とても嬉しい変化でした。

また、アースカレッジで学ぶようになるまでは、医師として、医学的な観点から体の問題に関することばかり学んできましたが、最近では体の問題と心の問題を繋げてとらえられるようになりました。これらの深い観点も、チャイルド人格が中心となって診察していたときには、全く見えないものでした。
例えば、胃炎や胃潰瘍が精神的なストレスで発症することは広く知られていますが、以前の私ならば、胃が痛いと訴える患者さんには胃カメラを行い、胃酸を抑える薬を出すといった具合に、体へのアプローチしか出来ませんでした。しかし、患者さんの目線に立って心に寄り添い、その方がどのような環境で育てられたのか、どのような人生を歩んできたのか、どのような気持ちを抱えていたのかを知ることで、なぜ胃が痛くなるような症状が引き起こされたのかが分かるようになってきたのです。

私は伊藤先生から、私の分裂人格たちがどのように生まれ、どのような歪みを抱えているのかを教えていただき、自分の問題の根源が明確になってきました。それと同じような視点で患者さんにも向き合うことで、患者さんが抱えている根本的な問題が、以前よりもクリアに見えるようになってきています。
限られた診察時間の中で充分な心のケアをすることは難しいですが、伊藤先生のもとで学んだカウンセラーたちと連携して治療を進めることで、薬を使わずに治癒する方や、治癒までの期間が短く済む方も多く、治療が難しいとされている疾患を抱えている方が改善するケースも出てきています。悩みを抱えて辛そうにしていた患者さんの病が改善され、晴れやかな表情を見ると、心から良かったと思います。

残念ながら、私のケロケロ問題はいまだ解決したわけではなく、今も取り組みを続けているところです。しかし、伊藤先生に導いていただいたことで、これまでは患者さんの体の「病」にしか向き合って来られなかった私が、患者さんという「人」に向き合えるようになってきた実感があり、今までにない、より良い医療を提供しているという自負が、私の医師としての誇りとなってきています。

これからも自分とも人とも向き合い続け、人を癒すという医師としての使命を全うしていきたいです。


谷川 徹也
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